
前回は、スポーツ撮影を始めるための
「カメラ選び」についてお話ししました。
今回は、その続きとして、
「レンズ選び」についてお話しします。
突然ですが、みなさんは
カメラ選びとレンズ選び、
どちらの方が大事だと思いますか?
おそらく多くの方は、
カメラ本体の方が大事だと思っているかもしれません。
もちろん、カメラ本体も大切です。
ピントを合わせる性能。
連写性能。
持ちやすさ。
操作性。
こういったものは、
スポーツ撮影に大きく関わってきます。
ただ、実はスポーツ撮影に限らず、
写真の機材選びでは、
カメラ本体よりもレンズの方が
重要になる場面がかなり多いです。
どんなにハイスペックなカメラを使っていても、
撮りたい競技に合ったレンズを選べていなければ、
思うような写真は撮れません。
たとえば、
野球やサッカーのような屋外競技を撮りたいのに、
遠くの選手を大きく写せないレンズを使っていたら、
選手は小さくしか写りません。
体育館でバスケやバレーを撮りたいのに、
暗い場所に弱いレンズを使っていたら、
写真が暗くなったり、
画質がザラついた写真になったりします。
スポーツ撮影では、
「どんなレンズを選ぶか」が、
撮れる写真を大きく左右します。
なので今日は、
スポーツ撮影の鍵を握る
「レンズ選び」について勉強していきましょう。
なぜレンズ選びが重要なのか
初心者の方の中には、
「カメラが決まったら、レンズは安いやつでいいかな」
「とりあえずセットで付いてくるレンズで大丈夫かな」
と思っている方もいるかもしれません。
もちろん、キットレンズにも良いところはあります。
軽いですし、
日常のスナップや旅行写真などには使いやすいです。
ただ、スポーツ撮影となると話は少し変わります。
スポーツ撮影では、
撮影する場所から選手まで距離があることが多いです。
スタンドから撮る。
ベンチ横から撮る。
フェンス越しに撮る。
コートやグラウンドの外側から撮る。
このような場面では、
遠くの選手をしっかり写せるレンズが必要になります。
そこで大事になるのが、
焦点距離です。
焦点距離とは、
簡単にいうと、
どれくらい遠くのものを大きく写せるかに関わる
レンズの性能のひとつです。
数字が大きいほど、
遠くのものを大きく写しやすくなります。
たとえば、200mmより400mmの方が、
遠くの選手を大きく写しやすいです。
スポーツ撮影では、
この焦点距離が足りないと、
どれだけ良いカメラを使っていても、
選手が小さくしか写りません。
つまり、
カメラ本体を先に決めて、
レンズはあとから適当に選ぶ。
というよりも、
撮りたい競技に合ったレンズを考え、
それに合わせてカメラを決める。
それくらい、
レンズ選びは大事だと思ってください。
また、レンズは焦点距離だけでなく、
オートフォーカスの速さや正確さにも関わります。
スポーツ撮影では、
動いている選手にピントを合わせ続ける必要があります。
そのため、
カメラ本体のAF性能だけでなく、
レンズ側のAF性能も大切になります。
これからレンズを選ぶときは、
「このレンズはスポーツ撮影に向いているのか」
という視点を持って見ていきましょう。
屋外競技と屋内競技で、選ぶレンズは変わる
では、実際にどんなレンズを選べばいいのでしょうか。
ここでまず大事なのは、
屋外競技と屋内競技では、
レンズ選びの考え方が変わるということです。
屋外競技というのは、
野球、サッカー、ラグビー、陸上など、
グラウンドやフィールドで行われる競技です。
屋内競技というのは、
バスケットボール、バレーボール、ハンドボールなど、
体育館で行われる競技です。
この2つでは、
撮影距離と明るさの条件が大きく変わります。
屋外競技では、焦点距離を優先する
まず、屋外競技です。
屋外競技では、
撮影する場所から選手までの距離が遠くなりやすいです。
野球で外野の選手を撮る。
サッカーで反対サイドの選手を撮る。
ラグビーで遠くのプレーを撮る。
こういった場面では、
レンズの焦点距離がとても重要になります。
目安としては、
400mm以上まで使えるレンズがあると安心です。
もちろん、撮影位置や競技によって変わりますが、
屋外スポーツをしっかり撮りたいなら、
まずは400mm以上をひとつの基準にすると良いです。
一方で、F値は最初の段階では
そこまで神経質にならなくても大丈夫です。
F値というのは、
レンズがどれくらい光を取り込めるかに関係する数字です。
このF値が小さいほど明るく撮りやすく、
暗い環境でも画質が落ちにくくなります。
ただ、屋外競技は日中に撮ることが多いので、
体育館ほど明るさに困らない場面も多いです。
もちろん、明るいレンズは有利です。
でも初心者の方が屋外競技を撮るなら、
まずはF値よりも、
遠くの選手をしっかり写せる焦点距離を優先しましょう。
そして、もうひとつ大事なのが軽さです。
スポーツ撮影では、
カメラとレンズを構えたまま、
選手を追いかける時間が長くなります。
レンズが重すぎると、
撮影中に疲れてしまい、
構え続けるのが大変になります。
初心者の方は、
まず軽めのレンズで撮影に慣れることも大切です。
屋内競技では、明るさを優先する
次に、屋内競技です。
バスケットボールやバレーボールのような体育館競技では、
屋外競技ほど長い焦点距離は必要ないことが多いです。
目安としては、
200mm前後まで使えるレンズがあると
撮影しやすくなります。
一方で、屋内競技では、
明るさが大きな問題になります。
体育館は、見た目には明るく感じても、
カメラにとっては意外と暗いことが多いです。
スポーツ撮影では、
動きを止めるために速いシャッタースピードを使います。
(無料講座1日目の動画で習いましたね。忘れちゃった人はもう一度見て復習しましょう👍)
速いシャッタースピードを使うと、
光を取り込む時間が短くなるので、
写真は暗くなりやすくなります。
そのため、屋内競技では、
F値ができるだけ小さいレンズを選ぶことが重要です。
F値が小さいレンズは、
光を取り込みやすいので、
暗い体育館でも撮りやすくなります。
また、背景のボケ感も出しやすくなるので、
選手を引き立てた写真も撮りやすくなったりもします。
つまり、
屋外競技では焦点距離を優先。
屋内競技では明るさを優先。
まずはこのように覚えておきましょう。
ここから選ぶべし!おすすめレンズ
ここからは、具体的なおすすめレンズを紹介します。
今回は、前回のカメラ選びで紹介した
SONY機とCanon機を前提に、
・屋外競技向け
・屋内競技向け
に分けて紹介していきます。
まずは、
「これからスポーツ撮影を始めるなら、このあたりから選ぶと始めやすい」
という“はじめの1本”です。
SONY機で屋外競技を撮るなら
Tamron 50-400mm F4.5-6.3
野球、サッカー、ラグビーなどの屋外競技を
SONY機で撮るなら、
Tamron 50-400mm F4.5-6.3というレンズがおすすめです。
このレンズの魅力は、大きく3つあります。
1つ目は、400mmまで使えること。
屋外競技では、
撮影位置から選手までの距離が遠くなることが多いです。
400mmまで使えると、
グラウンドやフィールドの中にいる選手を
しっかり大きく写しやすくなります。
2つ目は、50mmから使えること。
望遠レンズというと、
遠くを大きく写すことばかりに注目しがちですが、
スポーツ撮影では、選手が近くに来る場面もあります。
50mmから使えることで、
少し引いた写真や、
近くに来た選手の写真も撮りやすくなります。
3つ目は、重すぎず、価格も現実的なこと。
スポーツ撮影では、
カメラとレンズを構えたまま
選手を追いかける時間が長くなります。
重すぎるレンズは、
初心者の方にはかなり負担になります。
Tamron 50-400mmは、
焦点距離の長さ、扱いやすさ、価格のバランスが良く、
屋外スポーツを始める1本として選びやすいレンズです。
SONY機で屋内競技を撮るなら
SONY FE 70-200mm F4 G OSS
バスケやバレーなどの屋内競技を
SONY機で撮るなら、
SONY FE 70-200mm F4 G OSSがおすすめ候補です。
このレンズをおすすめする理由は、
屋内競技で使いやすい焦点距離と明るさのバランスが良いからです。
体育館競技では、
野球やサッカーほど長い焦点距離は必要ないことが多いです。
70-200mmの範囲があれば、
コート上の選手を撮るにはかなり使いやすいです。
また、F4で使えるので、
一般的なキットレンズよりも明るく撮りやすく、
体育館のような暗めの環境でも扱いやすくなります。
屋内競技では、
焦点距離の長さよりも、
明るさと操作性が大切です。
SONY FE 70-200mm F4 G OSSは、
明るさ、焦点距離、扱いやすさのバランスが良く、
屋内スポーツを始める方におすすめしやすいレンズです。
Canon機で屋外競技を撮るなら
RF100-400mm F5.6-8
Canon機で野球、サッカー、ラグビーなどの
屋外競技を撮るなら、
RF100-400mm F5.6-8がおすすめです。
このレンズの魅力は、
軽さ、価格、400mmまで使えることです。
屋外競技では、
まず遠くの選手を大きく写せることが大切です。
RF100-400mmは400mmまで使えるので、
屋外スポーツの撮影練習に向いています。
さらに、このレンズはかなり軽く、
初心者の方でも扱いやすいのが大きな魅力です。
スポーツ撮影では、
重いレンズを使うと、
撮影そのものがかなり大変になります。
特に最初のうちは、
ピント合わせや構図、シャッターチャンスを意識するだけでも大変です。
そこに重いレンズの負担が加わると、
撮影がしんどくなってしまいます。
その点、RF100-400mmは、
軽くて扱いやすく、価格も比較的抑えられているので、
Canonでスポーツ撮影を始める1本としてかなり現実的です。
Canon機で屋内競技を撮るなら
RF70-200mm F4
Canon機でバスケやバレーなどの
屋内競技を撮るなら、
RF70-200mm F4がおすすめ候補です。
70-200mmという焦点距離は、
体育館スポーツでとても使いやすい範囲です。
また、F4通しで使えるので、
ズームしても明るさが大きく変わりにくく、
屋内競技でも扱いやすいです。
このレンズの魅力は、
明るさと軽さのバランスです。
体育館競技では、
できるだけ明るいレンズを使いたいところですが、
明るいレンズほど重く、高価になりやすいです。
RF70-200mm F4は、
F2.8の本格派レンズほど明るくはありませんが、
初心者の方が屋内競技を始めるには、
かなり扱いやすいバランスのレンズです。
軽量コンパクトなので、
長時間の撮影でも負担が少なく、
Canonで屋内スポーツを撮りたい方におすすめしやすい1本です。
最初から本格派レンズでいきたい人はこれ
ここまで紹介したのは、
これからスポーツ撮影を始める方に向けた
“はじめの1本”です。
一方で、
「どうせ買うなら、最初から良いレンズを選びたい」
「スポーツ撮影を長く続けるつもり」
「多少予算をかけても、より本格的な環境を作りたい」
という方は、
最初から本格派レンズを選ぶのもひとつの選択肢です。
レンズはカメラ本体よりも長く使えることが多いので、
良いレンズに投資する価値はあります。
ただし、本格派レンズは価格も重さも上がりやすいので、
初心者の方は無理に選ばなくても大丈夫です。
参考として、候補を挙げるなら以下です。
SONY機で屋外競技を本格的に撮るなら
SONY FE 200-600mm F5.6-6.3 G
最大600mmまで使える超望遠レンズです。
野球、サッカー、ラグビーなど、
広いフィールドで行われる競技では、
600mmまで使える焦点距離は大きな武器になります。
遠くの選手を大きく写せるので、
迫力のある写真を狙いやすいです。
ただし、レンズ本体は重いため、
初心者の方がいきなり使うには少し大変かもしれません。
屋外競技を本格的に撮りたい方に向けたレンズです。
SONY機で屋内競技を本格的に撮るなら
SONY FE 70-200mm F2.8 GM II
70-200mmの焦点距離で、
F2.8通しの明るい望遠ズームレンズです。
F4のレンズよりも光を取り込みやすく、
体育館のような暗い環境でも撮りやすくなります。
背景のボケ感も出しやすいので、
選手を引き立てた印象的な写真を撮りたい方にも向いています。
価格はかなり高価な部類にはなりますが、屋内スポーツを本格的に撮りたい方には、
とても魅力的なレンズです。
Canon機で屋外競技を本格的に撮るなら
RF100-500mm F4.5-7.1
500mmまで使える望遠ズームレンズです。
屋外競技では、
400mmよりさらに一歩遠くまで狙えるので、
広いグラウンドやフィールドでの撮影に向いています。
価格は上がりますが、
長く使える本格派レンズとして考えると、
良い選択肢です。
Canon機で屋内競技を本格的に撮るなら
RF70-200mm F2.8
F2.8通しの明るい望遠ズームレンズです。
体育館のような暗い環境でも撮りやすく、
背景のボケ感も活かしやすいレンズです。
屋内スポーツを本格的に撮りたい方にとっては、
かなり心強い1本になります。
カメラとレンズのセットで買った方がいい?
最後に、よくある質問として、
「カメラとレンズのセットで買った方がいいですか?」
というものがあります。
カメラを探していると、
レンズキットとして販売されている商品を
よく見かけると思います。
カメラ本体とレンズがセットになっていて、
一見するとお得に見えますよね。
ただ、スポーツ撮影を目的にするなら、
基本的にはカメラ本体とレンズを
別々に選ぶことをおすすめします。
理由はシンプルです。
キットレンズとして付いてくるレンズは、
スポーツ撮影ではあまり使わないことが多いからです。
焦点距離が足りなかったり、
屋内競技で使うには暗かったりすることがあります。
もちろん、キットレンズにも使い道はあります。
日常のスナップ。
旅行。
家族写真。
近い距離での撮影。
こういった用途では、
使いやすい場面もあります。
ただ、
「スポーツを撮りたい」
という目的がはっきりしているなら、
最初から撮りたい競技に合ったレンズを選んだ方が、
満足度は高くなりやすいです。
「近い距離を撮るレンズもほしい」
という場合でも、
なんとなくキットレンズで揃えるより、
自分の撮りたい写真に合ったレンズを
別で選ぶ方が良いと思います。
スポーツ撮影では、
レンズ選びがかなり重要です。
だからこそ、
カメラ本体だけで予算を考えるのではなく、
カメラとレンズをセットで考えるようにしてください。
今日のまとめ
今日の内容をまとめます。
スポーツ撮影では、
カメラ本体以上に
レンズ選びが重要になる場面があります。
どんなに良いカメラを使っていても、
撮りたい競技に合ったレンズを選べていなければ、
思うような写真は撮れません。
屋外競技では、
遠くの選手を大きく写せる焦点距離が大切です。
目安としては、
400mm以上まで使えるレンズがあると安心です。
野球、サッカー、ラグビーなどの屋外競技では、
まず焦点距離を重視して考えましょう。
一方で、屋内競技では、
焦点距離は200mm前後を目安にしつつ、
できるだけF値の小さい明るいレンズを選ぶことが大切です。
バスケ、バレー、ハンドボールなどの体育館競技では、
明るさが写真の仕上がりに大きく関わってきます。
今回紹介した“はじめの1本”は、こちらです。
SONY機で屋外競技を撮るなら、
Tamron 50-400mm。
SONY機で屋内競技を撮るなら、
SONY FE 70-200mm F4 G OSS。
Canon機で屋外競技を撮るなら、
RF100-400mm。
Canon機で屋内競技を撮るなら、
RF70-200mm F4。
レンズの進化はカメラの進化とともに日進月歩なので、もっといい選択肢が出てくるかもしれません。
ただ、いままでの僕の経験からすると、紹介したレンズは間違いない候補になります。
レンズ選びも調べ始めると終わりがありません。
価格。
重さ。
AF性能。
手ブレ補正。
ズームのしやすさ。
いろいろな要素があります。
でも、カメラ選びと同じように、
悩み続けている時間はもったいない。
レンズの重要性を理解したうえで、
まずは自分が撮りたい競技に合ったレンズを手にしてみる。
そして、実際に撮りながら、
必要なものを少しずつ理解していく。
この進め方で大丈夫です。
レンズもカメラ本体と同じように、
レンタルで試すことができます。
購入前に不安がある方は、
まず借りて使ってみるのも良いと思います。
レンズは決して安い買い物ではありません。
だからこそ、
迷う場合はレンタルで試してから決めるのも、
とても良い選択肢です。
5日間の無料講座では、
スポーツ写真を始めるための入り口として、
最初に覚えたい設定。
構図の考え方。
ピント合わせの基本。
カメラ選び。
レンズ選び。
ここまでをお伝えしてきました。
ここから先は、
実際に撮影現場で安定して撮れるようになるために、
設定。
構図。
フォーカス。
露出。
データ管理。
RAW現像。
こうした内容を、
わかりやすく学び、練習していくことが大切です。
スポーツ写真は、
機材だけでも、センスだけでも決まりません。
自分に合った機材を選び、
その機材を使いこなすための撮影技術を身につける。
この両方がそろうことで、
写真は少しずつ変わっていきます。
この5日間の内容が、
あなたのスポーツ写真の第一歩になれば嬉しいです。
筆者:木村亮介
